地政学的リスクについて
地政学的リスクという言葉は2002年に米国のFRB連邦準備理事会が出した声明の中に使われていた言葉から有名になって定着するようになった言葉で、軍事的、あるいは政治的に緊張状態にある特定地域により、世界経済が先行き不透明感をもった状態におかれることをいいます。
一昔前まではあきらかに中東情勢のことをさしましたが、最近ではさらに拡大利用されるようになり、日本の近隣でいえば北朝鮮がなにか軍事的な訓練をしたりミサイルを発射したりするのも地政学リスクですし、中国の反日暴動や尖閣諸島のことで一触即発になったりするのも地政学リスクといえるものです。
また直近のシリア情勢などは完全のこの中にはいるものであり、そういう意味では世界中でリスクをかかえる地域に対して使われる言葉になってきているといえます。最近では一箇所で起きたこうしたリスクの事象が各国の株式相場にリアルタイムでネガティブに波及するようになっていますし、当然為替にも商品相場にも国債金利にも影響を与えるようになってきていますので、決して見逃すことのできないリスクであるということもできます。当然こうした事態ではリスクオフの相場展開になり為替ではドルや円が買われることが多くなります。